【10月23日 AFP】選挙において候補者は、第一印象を過小評価してはいけない。選挙における第一印象の重要性に関する研究が22日、米プリンストン大学(Princeton University)の心理学者によって発表された。

 過去の研究では、人々は初めて会う人物が優秀かどうかを無意識のうちに一瞬で判断してしまうということが明らかになっている。研究者たちはこの働きが政治の分野でも当てはまるのか知るため実験を行った。

 研究者たちはまず、大学生のグループに対し2枚1組の写真を数組見せ、どの人物が最も優秀かを判断してもらった。この写真は上院選と知事選の候補者たちの写真だった。

 実験は、写真を見る時間を変えて3回行われ、学生が知っている人物が含まれていた場合は、結果は研究データから削除された。

 同大学のAlexander Todorov準教授は「学生たちには実験の目的は教えず、初めて見る人物のどの顔が優秀かを直感で判断するように頼んだ。その結果、候補者の顔の印象が投票行動に影響を与えるという実験結果が出た」と語った。

 一瞬見せただけの場合も含めて、短時間で写真を判断してもらったにもかかわらず、2週間後に行われた2006年の上院・知事選では学生たちの予想結果は上院選で72.4%、知事選でほぼ69%の割合で当選者を言い当てていたという。

 マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)の政治学者Chappell Lawson氏は、この研究結果は、選挙戦において印象的な言葉や政策演説ではなく、見た目の印象が重要だということを示していると語った。

 この研究結果は論文にまとめられ、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表される。(c)AFP/Louise Daly