【10月1日 AFP】旧ソビエト連邦が人類初の人工衛星「スプートニク(Sputnik)1号」を打ち上げてから今月4日で50年。米国はその後、ソ連に追いつこうと必死の宇宙競争を繰り広げた。この宇宙開発競争の歴史が、今度はアジア諸国との間で繰り返されることになるのではと、米国の研究者は恐れているという。

 日本、中国、インドなどの宇宙計画は、米国や旧ソ連の過去の業績と比較すればまだささやかなものと言えるが、カリフォルニア州パサディナ(Pasadena)で開催中の宇宙開発関連会議に出席する研究者は、アジア諸国が主導権を握るのは時間の問題だと主張する。

 有人宇宙飛行を2003年に実現した中国は、今年末には月探査ロケットを打ち上げる予定。続いて2008年にはインドが同様の計画を予定している。日本はそれに先駆け、先月14日、国内初の月周回衛星「かぐや(Kaguya)」打ち上げに成功した。

 中国とインドは今後10年以内に有人月探査計画を検討しているが、米国の次の有人月探査計画は2020年で、これは最後のアポロ計画から48年後ということになる。それとは別に、米航空宇宙局(NASA)は2037年には有人火星探査機を打ち上げる野心的な計画ももっている。

 しかし、米科学アカデミー(National Academy of Sciences)によると、アジアの宇宙研究者の数は米国のそれを上回りつつあるという。2004年の段階で、大学の関連学部を卒業した中国人は50万人で、インドは20万人。米国の同様の卒業者の数は7万人にすぎない。

 宇宙研究の名門大学、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)のAres Rosakis教授(航空学)は「米国の学界は若い世代に宇宙への情熱を吹き込むことに失敗している」という。

 カリフォルニアのジェット推進研究所(Jet Propulsion LaboratoryJPL)のCharles Elachi理事も同様の見解だ。「JPLを訪れる子供たちに宇宙の話をし、火星探査機マーズ・ローバー(Mars rover)を見せ、宇宙飛行士と会話をしてもらうと、だれもが宇宙の魅力の虜になる」

 「現在の問題は、インターネット、ゲーム、アイポッド(iPod)、ユーチューブ(YouTube)など、子供の関心を引くものが多すぎること。子供たちの関心をもう一度、宇宙に引き戻す努力が必要だ」と語る。(c)AFP/Tangi Quemener