【10月1日 AFP】米国と旧ソビエト連邦の宇宙開発競争の幕開けとなった人類初の人工衛星「スプートニク(Sputnik)1号」の打ち上げから、今月4日で50年目を迎える。

「スプートニク1号」は1957年10月4日に打ち上げられた。このニュースは共産党機関紙「プラウダ(Pravda)」第1面の片隅に掲載され、開発者らの氏名は「国家機密」として伏せられた。

 だが、まもなく英Manchester Guardian紙など欧米諸国の各紙は、ソ連によるスプートニク打ち上げについて、ソ連国民へのプロパガンダの意味合いだけでなく「軍事力の誇示」を目的としたものだとして警戒心をあおった。

 その約1か月後の同年11月にソ連が打ち上げた「スプートニク2号」では、地球の生物として初めてライカ(Laika)犬が宇宙に送られたが、ストレスと機体内の温度上昇のため、打ち上げから数時間後に死亡した。

 ソ連の相次ぐ打ち上げに焦燥感を覚えた米国は、同年12月6日に人工衛星「ヴァンガード(Vanguard)」を打ち上げたものの、発射数秒後に爆発。この事件に関し、当時の英紙の見出しには「失敗衛星」の文字が躍った。

 その後、ソ連は1961年に宇宙飛行士ユーリ・ガガーリン(Yury Gagarin)の人類初の有人宇宙飛行を成功させ、宇宙開発競争は激化していった。

 こうした宇宙開発競争について、ソ連側には当初、その後みられたような敵対的な意図は少なかったとされる。(c)AFP/Nick Coleman