【9月28日 AFP】日本初の月周回衛星「かぐや(SELENE)」の打ち上げに成功した日本は、さらに2回の月ロケット打ち上げを計画し、その後は、有人月面着陸計画を各国と協力して行う予定があることを明らかにした。

 アジア最大の経済大国日本は、まもなく月への飛行を計画している中国とインドに先んじて、今月14日、「かぐや」を月面軌道に乗せることに成功した。

 日本の次の月飛行計画は2012年で、月面にロボットを着陸させることを目指している。さらに2018年には、月面に着陸したロボットを地球に帰還させる計画も構想しているという。「かぐや」計画責任者の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の加藤学教授が明らかにした。

 インドのハイデラバード(Hyderabad)で開催中の第58回国際宇宙会議(International Astronautical CongressIAC)に参加している加藤教授は、関連会議の席上で、日本は月への有人飛行も検討しているがそれは国際協力に基づくものになるだろうと語った。有人飛行の次は、月に有人基地を作る計画もあるという。

 月探査計画の国際協力は、現在の国際宇宙ステーション計画をモデルにするという。現在、宇宙空間の研究実験室として機能している国際宇宙ステーションは、米国、カナダ、ロシア、日本および欧州によって組み立てられた。

 28日まで5日間の日程で行われているハイデラバードの国際宇宙会議では、将来の月計画に加えて火星計画も話し合われた。

 中国は今年末に、インドは来年3月に月への衛星打ち上げを計画している。月面には地球のエネルギー資源不足を解決する可能性があるヘリウム3(Helium 3)などの資源が豊富に存在するとも言われ、両国はそれを利用することを視野に入れた、有人宇宙飛行計画も検討している。

 さらに中国は26日、2020年以降は、長期にわたりヒトを月に滞在する計画も検討していると表明した。

 また加藤教授は、米国が1970年代以来の有人月飛行計画を2018年に予定しているため、日本が月にヒトを送る計画を実現するのは2020年以降になるだろうとも予測した。

 加藤教授は、中国、インドとも協力は可能だが、さらに協議が必要という立場を明らかにし、月面に豊富な資源が存在するという期待には、仮に存在しても、それを採取、利用する方法は今のところないと釘を刺した。

 その他日本は、水星、金星、木星への衛星打ち上げも検討しており、欧州宇宙機関(European Space Agency)と協力して火星への飛行も計画していることが明らかにされた。(c)AFP/Anil Penna