【9月16日 AFP】火星有人探査が人体に与える影響を調べることを目的として、アレチネズミ10匹を乗せた宇宙船が14日、カザフスタンのバイコヌール(Baikonur)宇宙基地から打ち上げられた。ミッション担当のAnfisa Kazakova氏が明らかにした。

 同氏が電話でAFPに語ったところによれば、ソユーズ(Soyuz)ロケットで打ち上げられた宇宙船は、長期の飛行による生理学的、生物学的な影響を調査するため、10匹を乗せて12日間の日程で飛行する。

 ラットやマウスの仲間で、ペットとしても飼育されることも多いアレチネズミ10匹が入れられたケージには、穀類や木の実、干しブドウが用意され、無重力状態でも使用できる特殊な装置で排せつ物が除去される。

 換気や温度が厳密に調整され、昼と夜が人工的に作り出される環境下で、飛行中のネズミの様子が映像で記録される。情報は定期的に地球に送信されるが、記録された映像は、ネズミたちが地球に帰還した後、初めて確認されるという。

 着陸は人間の飛行士が乗った宇宙船と同様だが、飛行を終えたネズミたちを待ち受けるのは熱烈な歓迎ではなく、冷酷な対応だ。戻った10匹のうち、数匹は解剖されるという。(c)AFP