【9月14日 AFP】14日にSpace Security Indexが発表した宇宙空間の安全に関する年次報告書Space Security 2007によると、衛星攻撃兵器や宇宙ごみのために、人身の安全と携帯電話や天気予報などの技術が未曾有の危機にひんしていることが分かった。

 その大きな原因として報告書は、1月に衛星破壊実験を行った中国や宇宙兵器の制限に反対する米国を挙げている。

 共同著者の1人トーマス・グラハム(Thomas Graham)氏は、「通信衛星用や気象衛星用、その他近年の経済活動が依存している産業のための保護区域が廃止されたため、それらの技術が利用できなくなり、世界中のありとあらゆる人の生活に支障をきたすだろう」と述べる。

 Space Security Indexの目的は「宇宙の安全に関する事実について政治的に中立な報告」を提出することだという。グラハム氏はビル・クリントン(Bill Clinton)政権で軍備管理・非拡散・軍縮問題特使を務めていた。

 報告書では、宇宙を巡る国家間の緊張の高まりに警戒を示しつつ、「あらゆる国が自衛目的で宇宙空間の利用を目指している一方で、その方策についての協議が行き詰っている」と強調。

 また、「特に米国と中国の間で軍備計画について不信感が高まっており、宇宙空間での安全を巡る両国間の対立が深まっている」と指摘している。

 この報告書は10月22日の国際間の安全保障を協議する国連第1委員会に提出される。(c)AFP/Deborah Jones