【9月13日 AFP】火星は過去500万年間に40回の氷河期を体験していたことが、12日に公開されたコンピュータによるシミュレーション結果で明らかになった。

 火星の自転軸は大きく傾斜しているため季節が存在するが、火星は地球よりも太陽から離れているために、それぞれの季節は地球と比べかなり長期間となる。これが原因で、クレーターのある地表は広範囲に凍り、ふたたび溶けるという過程を繰り返してきたのだという。
 
 ハワイ大学のNobert Schorghofer氏によると、火星では地軸の傾きにより太陽の光にさらされる地表の範囲が変化するため、地下に広がる氷の範囲は、長い歴史の間に東西南北に絶えず移動してきた。現在は南北両極の緯度60度以上の地域に安定しているという。

 3月に米国科学誌「サイエンス(Science)」へ掲載された研究報告によると、火星の南極地表下の氷の量は、それだけで火星の全表面積を11メートルの厚さで覆うことができるという。(c)AFP