【9月13日 AFP】(一部更新)米航空宇宙局(NASA)は12日、3年前から火星のクレーターを探査中の無人探査車「オポチュニティー(Opportunity)」と「スピリット(Spirit)」が大規模な砂嵐を耐え抜き、活動を再開したと発表した。2004年1月、当初3か月の予定で火星に送られた2台の探査車は、砂嵐の被害を避けるため、7月から休止状態になっていた。

 NASAによると、「オポチュニティー」は11日に直径約800メートルのビクトリア・クレーター(Victoria Crater)の縁に6輪すべてを入れて約4メートル前進し、その後バックして斜面を約3メートル上ったが、その際、車輪が滑りすぎたため停止を余儀なくされたという。ビクトリア・クレーターは過去3年半の探査対象の中で最大のクレーター。

「本日の走行結果から得られたデータを十分に分析し、その情報を利用して『オポチュニティー』をクレーターに進入させる予定だ」と、NASAジェット推進研究所のプロジェクト・マネージャー、ジョン・カラス(John Callas)氏は語っている。

「オポチュニティー」は探査再開後、数百万年におよぶ大気と地表の相互作用の証拠を残しているとみられる岩層の調査を行う予定。数百万年の火星の大気は、現在のものとは異なっていたと考えられている。

 2台の無人探査車は、砂嵐で巻き上げられた砂が太陽電池パネルに降り積もっていたため、電力節約のために休止状態におかれていた。上空は現在も砂が舞っているが、8月初めから少しずつ晴れ始めているという。(c)AFP