【8月29日 AFP】夫婦では夫が妻よりも年上であることが多いが、この年齢差を生じさせる原因は、子どもをより多くもうけようとする進化的圧力であるとする初めての研究結果が英科学誌に発表される。

 研究チームは、男性は繁殖の成功率を上げるために、年下の性的に引きつけられる女性を求め、女性は子どもに資金と安全を与え、その生存率を上げるために、年上の成功した男性を求める、という理論を調査した。

 研究チームは、スウェーデンの人口データベースを使って、1945年から1955年の間に生まれた男女1万1500人を対象に、いくつで親になったかを徹底調査した。

 その結果、結婚している夫婦の場合は、大半の子どもは夫婦の年齢差が4つから6つある世帯で生まれていた。また離婚して、再婚した場合については、男女のどちらも、最初より若い配偶者を選んでいることが分かった。

 この傾向は、男性の年齢が高い場合に特に当てはまり、先妻よりずっと若い女性を求める。新しい配偶者を捜している女性は、一般的に自分よりも少し年上の男性を選ぶ。

 この研究を行ったウィーン大学(University of Vienna)の人類学者、Martin Fieder氏は、こうした特性が、数千年におよび進化の過程で習得された後天的なものだと考えている。「配偶者の年齢に対する好みは、男性でも女性の場合でも、個々の生殖適応度を高めるものだ」とFieder氏。

 研究結果はFieder氏とウィーン獣医大学(University of Veterinary Medicine Vienna)の野生生物生態学者、Susanne Huber氏の共著で、英科学誌「Biology Letters」に掲載される。(c)AFP