【8月2日 AFP】人工知能の研究者にとって長年の夢であるジョークを理解するロボットプログラムの開発に成功したと、オハイオ州シンシナティ大学(University of Cincinnati)のジュリア・テイラー(Julia Taylor)研究員とLawrence Mazlack博士が、1日付の科学雑誌「New Scientist」に発表した。より人間に近いロボット開発への手がかりとなるかどうか注目される。

 コンピュータにヒトのユーモアを理解させる研究はこれまでも進められてきたが、何を面白いと感じるかは主観的で複雑な構造を持つため、プログラミングは成功しなかった。

 今回、研究結果を発表した2人は子ども用の辞書から抜粋した言葉と、同じ言葉が文脈により異なる意味を持つことを示す例文を、データベースにしてプログラムに組み込んだ。

 このプログラムにある文章を提示すると、データベースの知識を駆使して、使われた単語が文脈の中で他の単語とどのように関連しているか、その結果何を意味するかを判断するようになっている。

 文脈に合致する言葉のストックを持っていないと判断すると、今度はデジタル音声ガイドに基づき、似た音を持つ単語をデータベースの中から検索し、見つかった単語が文脈に当てはまれば、文章を理解し、冗談と判断する。

 今のところ、この試験版プログラムは、だじゃれの類しか理解できず、複雑なジョークやユーモアに対しては反応を示していないが、研究者は、近い将来ロボットに人間らしさを付与し、人間の相手を務めさせることができるのではないかと期待している。

 このプログラムが反応したジョークの一例:

- Mother: My, you've been working in the garden a lot this summer.

- Boy: I have to, because teacher told me to work a lot.

母「あなた、この夏はずっと庭で仕事(work)しているのね」

子ども「だって先生にwork(宿題)しろと言われたから」

 この研究は先週、カナダのバンクーバー(Vancouver)で開かれた米人工知能学会(American Association for Artificial Intelligence)で発表された。(c)AFP