写真は2004年8月27日ギリシャのアテネ(Athens)で開催された五輪大会でボクシング、スーパー・ヘビー級の準決勝を闘うエジプトのMohamed Aly選手(左)とキューバのMichel Lopez Nunez選手。(c)AFP/JOE KLAMAR/dec
【シドニー/オーストラリア 13日 AFP】五輪大会などで不透明な判定がしばしば問題となってきたアマチュア・ボクシング用に、オーストラリアの研究チームが新型採点システムを開発した。地元有力日刊紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)が12日、伝えた。
開発したのはオーストラリアスポーツ研究所(Australian Institute of Sport、AIS)と豪州連邦科学産業研究機構(Australian Commonwealth Scientific and Research Organisation、CSIRO)の科学者ら。また、インドの電子機器製造メーカーが機器をグローブや防具に埋め込んだ。
■得点を瞬時に表示、不正判定を防止
ボクシング自動採点システム(Automated Boxing Scoring System、ABSS)と命名された新システムは、軽量のベスト、頭の防具、およびグローブに付けられたセンサーが、パンチを記録し、得点は無線通信で観衆が見る大型掲示板に表示される。観衆は瞬時に選手のどの部分にパンチが命中したのか表示板でも確認できる。
国際アマチュアボクシング協会(International Amateur Boxing Association、AIBA)のWu Ching-Kuo会長はシステムのデモ実演を先月タイの首都バンコク(Bangkok)で開かれたタイ国王杯(King’s Cup boxing tournament)で検証した。
この結果、AIBAはオーストラリアの開発チームに今後の研究を認めた。
シドニー・モーニング・ヘラルドはAIBAのWu会長が、相応の期間について現行システムと新方式を並行して試験することを提案したと伝えた。
台湾出身のWu会長は、2000年および2004年の五輪大会で問題となった審判買収問題の改革を期待され昨年会長に選出されている。
現行システムでは、審判がパンチを目視してコンピューターのキーを打つ方式がとられているが、買収された審判が勝たせたい選手のキーを多く打つ可能性が指摘され、審判による不正行為の疑惑がこれまで取りざたされてきた。
■今後の課題
AIS応用研究センター(AIS Applied Research Centre)所長のAllan Hahn教授は、バンコクでのデモの成功に大いに満足しているとしたうえで、問題点にも触れ、「ブロックしたパンチやそれたパンチも得点の対象となる」と課題についても語る。
新システムの仕組みについては、「選手のグローブが相手選手の得点エリアに当たったとき、グローブと相手の両方のセンサーが同時に信号を受けるとパンチを放った選手の得点となる。自分の両グローブを打っても得点にはなりえないのだが、相手のパンチを両手でブロックしたときに得点になってしまうといった問題がある」とHahn教授は話す。
「CSIROの専門家は現在、このようなパンチによる得点を除外する方法を研究している。問題の解決は早いと考えている」と、同教授は改善へのめどが立ちつつあることを示した。
Hahn教授ははまた、ラウンドの合間にトレーナーが選手に多量の水をかけることがしばしばあることを考慮し、装着される電子機器の実用化には完全な防水化が必要だとしている。
写真は2004年8月27日ギリシャのアテネ(Athens)で開催された五輪大会でボクシング、スーパー・ヘビー級の準決勝を闘うエジプトのMohamed Aly選手(左)とキューバのMichel Lopez Nunez選手。(c)AFP/JOE KLAMAR/dec









