【ワシントンD.C./米国 1日 AFP】ハリケーンのメカニズム解明を説いたとする論文が、3月2日付けの米科学誌「サイエンス(Science)」に掲載される。
シアトル(Seattle)のワシントン大学(University of Washington)で大気科学を専攻するRobert Houze教授の研究チームが、2005年に米南部を襲った大型ハリケーン「リタ」の中心部で観測されたデータを解析したもので、ハリケーン中心部には、「目」を取り巻くように形成された「壁雲」と呼ばれる発達した積乱雲があり、暴風雨が吹き荒れている。ハリケーンの勢力が増し、「目」の部分が狭まると、外側から中心に向かって吹き込む乾燥した空気の帯「moat」が、「壁雲」を壊すとみている。
この発見によって、気象学者らはハリケーンの進路のみならず、勢力の変化をも的確に予想することが可能になるという。
■2層の壁雲が一体化
「サイエンス」に発表された研究の要旨によると、研究チームは、ハリケーンの中で最も風圧が高い「目の壁雲(アイウォール)」周辺に、どのように「moat」が形成されるかを観察。すると、「目の壁雲」の外側に広がる雲が巻き込まれ、2層の壁雲が形成されることがわかった。外側の2つめの壁雲が中心部の壁雲を飲み込むかたちで一体化すると、一時的にハリケーンの勢力が増し、速度は遅くなるのだという。
Houze教授は、「リタから得られたデータの中で何より興味深いのは、『moat』はとても流動的な領域で、本来の『目』を壊して新しくより広域の『目』を形成するという点だ。目の壁と壁の間にある領域というだけではない」と述べている。
研究チームは、米海軍と米海洋大気庁(NOAA)が、2005年に大型ハリケーン「カトリーナ」や「リタ」、「ウィルマ」などの内部を飛行して収集したデータを使用した。
なかでも「リタ」は、ハリケーンの勢力を示す指標の中で最も弱い「カテゴリー1」から24時間もたたないうちに最大の「カテゴリー5」まで急成長しており、成長過程で何が起きているのかを解明するのに有力なデータを提供した。
写真は、メキシコ湾を米南部テキサス州に向け北上するハリケーン「リタ」の気象映像(2005年9月23日、米海洋大気庁撮影)。AFP/NOAA
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