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自閉症の解明につながる遺伝子発見か - フランス

  • 2006年12月18日 09:37 
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写真は、中国、成都(Chengdu)にある聖愛特殊教育センター(Holy Love Special Education and Training Center)で、自閉症の男の子。(c)AFP/LIU Jin

【パリ/フランス 18日 AFP】フランスの研究者グループが、自閉症に関係すると思われる新たな遺伝子を発見したとの論文が17日、英科学誌「ネイチャー(Nature)」の姉妹誌、「ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)」 電子版に掲載された。

 自閉症の子ども5人を対象とした調査で、全員が人間の脳内で言語発達に不可欠な神経系の形成に重要な役割を担うシャンク3(SHANK3)という遺伝子に異常があったという。

 自閉症は、一般的な方法で意思の疎通や人間関係を構築することが困難。もっとも特徴的な症状として、コミュニケーション障害、対人関係構築障害、常同・執着的行動などがある。発症の原因は依然不明だ。

 このほどパスツール研究所(Institut Pasteur) の研究チームは、脳内で「神経細胞組織の接続に中心的な役割を果たしている」遺伝子を発見し、シャンク3と名付けた。シャンク3は、シナプスの構造を作るたんぱく質の1つで、脳の神経経路同士をつなぐ作用がある。

 研究チームを率いるThomas Bourgeron主任は、AFPの取材に対し、「シャンク3によって、自閉症のすべての症状が説明できるわけではありません」と警告しつつ、「コミュニケーション障害を始めとした主要な社会的障害については、ある程度の説明が可能かもしれない」と述べた。

■ 被験者のシャンク3遺伝子に異常が認められる

 研究対象となった被験者は、3家族から選んだ5人で、全員自閉症かアスペルガー症候群と診断された患者。アスペルガー症候群は自閉症スペクトラム障害(ASD)で、自閉症ほどコミュニケーション障害がひどくないものの、共通した症状を示す。Bourgeon主任によれば、「200人に1人の子どもにみられ、女の子より男の子のほうが4倍多い」という。

 同主任の研究チームは2003年、これら5人にシャンク3の異常を確認した。特徴的な欠失がさまざまなレベルでみられたという。また、自閉症だが言語障害はない1人の患者からは、二重構造を持つシャンク3が発見された。

 研究はパリの仏国立医学研究機構(Inserm)とスウェーデンのイエーテボリ大学と共同で行われた。

■ 世界的に増え続ける自閉症

 自閉症は通常、3歳以前の幼児期には症状が出ないことが多いが、早い例では18か月で診断されることもある。自閉症の子どもは社会的スキルやコミュニケーション能力に困難を生じ、障害は一生涯続く。世話をする家族には、かなりの経済的、心理的負担がかかる。

 自閉症に関する国際的な統計は少なく、患者数が増えつつあることだけがはっきりしている。
 米自閉症協会(Autism Society of America)によると、人口の10-17%が毎年自閉症と診断されている。これには、自閉症という障害への認識が高まってきていることも背景にあるとみられる。
 米疾患対策予防センター(US Centers for Disease Control and Prevention、CDC)は、166-500人に1人の子どもがASDと診断される可能性があるとする。

■ 依然正確な原因は解明されていない

 自閉症の原因については、まだはっきりしたことはわかっていない。長年の研究で、遺伝子が関与していることが確認されているだけだ。
 米国の自閉症研究家で、11月に死去したバーナード・リムランド(Bernard Rimland)氏は、自閉症の原因が幼児期の予防接種にある可能性を指摘し、論争を引き起こした。
 最近の研究では、遺伝的因子と環境因子の組み合わせで発症するのではないかとの見方が強い。

 写真は、中国、成都(Chengdu)にある聖愛特殊教育センター(Holy Love Special Education and Training Center)で、自閉症の男の子。(c)AFP/LIU Jin
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