【サンフランシスコ/米国 11日 AFP】インターネットの使用時間が多すぎるのは単なる悪習か、もっと深刻な問題か?-米国人8人に1人が深刻なインターネット中毒になっており、ネットユーザーの約14%がネット依存症の兆候を見せていると、カリフォルニア(California)州スタンフォード大学の研究チームが報告した。
調査対象とされたのは全米50州の2513人で、ウェブサーフィンの長期間の影響に関する研究は今回が初めてといわれる。
■ ネットなしではつらい、一割以上
回答者のうち定期的にインターネットを使用していると答えた人は68.9%。6%弱がオンラインで時間を使いすぎ、人間関係に支障をきたしていると感じ、14%近くが数日間インターネットを使用しないとつらく感じると回答した。
また8.7%が不必要なネット利用を周囲に隠そうとしたことがあると答え、3.7%はネットを使用していない間もネットのことが気にかかると回答した。問題解決にネットを使用すると答えたのは9%強である一方、意図したよりも長くネットを使用してしまうという回答が12.4%あった。
■ 解雇や離縁の事例も
スタンフォード大学精神医学・行動科学学科のElias Aboujaoude教授はAFPの取材に次のように語った。「過去3~4年間、インターネットに悪影響を受け始めている、と訴える人が私たちのクリニックに来るようになりました。」
「インターネットの使いすぎで職場を解雇されたり、パートナーに離婚を切り出されたという人たちです。彼らは周囲に注意を受け、初めはネット使用を正当化しようとするのですが、訓戒を受けたり解雇されたり、家庭内で警告されたりといった大きな出来事をきっかけに、事態の深刻さを認識します。一見、何の気のないネット使用が多くの問題を引き起こしていることに気がつくのです」。
■ ギャンブルやポルノサイトに限らない
こうした問題は、必ずしも目立つサイトが原因というわけではない。ギャンブルやポルノサイトは現在、非常に多くの閲覧者を抱えているが、Aboujaoude教授はもっとシンプルなことからネット依存が始まると警告する。例えば、5分おきのメール・チェックや、ブログのアップデート、証券サイトで変動する株価を見続ける、といった行為などだ。
また、ネット依存症については最近までほとんど研究がなく、まだ本格的な「病気」として分類されていない。「確かにいえることは、使用者のうちのかなりの人に、真剣な問題を示す赤信号が出ているということでしょう。”ネット中毒”といえるものが存在するかどうかについては、さらに研究が必要です」(Aboujaoude教授)。
■ ひとりの時間と仮想空間に注意
一般的には、ひとりだけで数時間をインターネットに費やすことは、既存の行動障害の兆候に含まれるという。「社会不安障害があるためにインターネットへ向かう人もいます。そうした人たちは、生身の人と面と向かってコミュニケーションをすることが非常に困難で、代わりにネット上で何時間も過ごしたりします。うつ状態になり、外出に極度に困難を感じる人たちも同様になることがあります。ひたすら家の中にとどまり、ネットのゲームに熱中したりするのです」。
また仮想空間であるオンライン・コミュニティでは、本来の自分とは別の人格を装える可能性も、こうした問題につながっているという。「深刻になってくると、ネット上の自分と現実空間の自分の生活が区別できなくなってきます。オンライン・コミュニティ系のサイト利用者には、こうした点も落とし穴になっています」とAboujaoude教授は警告した。
写真は、ロサンジェルスのサイバーカフェを利用する人々。(c)AFP/Mike NELSON
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