写真は、シカゴのフィールド自然史博物館が発表したダンクレオステウスのイメージ画像(撮影日不明)。(c)AFP/THE FIELD MUSEUM-Karen Carr
【パリ/フランス 28日 AFP】3億6000万年前の海に生息していた巨大な原始魚、ダンクレオステウス (Dunkleosteus terrelli)のあごの力は、これまで地球上に生息した魚の中で最強ものであることが、最新の研究により明らかになった。
この研究は、シカゴ大学(University of Chicago)のPhilip Anderson氏とフィールド自然史博物館(Field Museum of Natural History)のMark Westneat氏の、2人のアメリカ人研究者が共同で行ったもの。
■ 50分の1秒で閉じる強じんなあご
ダンクレオステウス(体長6メートル、体重1トンの成魚)の骨の画像をコンピュータ処理し分析した結果、この魚には並外れて強靱な筋肉があり、その巨大なあごをわずか50分の1秒という猛スピードで閉じることができたと判明した。
さらにダンクレオステウスは、あごの力が桁外れに強かったことも分かった。あごの前方にあるカミソリのように鋭い2本の牙は4400ニュートン以上、奥歯の部分は少なくとも5300ニュートンの力でかみ切ることができたはずだという。これはホホジロザメ(great white shark)のあごの力の、約2倍に相当する。
■ 恐竜並みの破壊力
「ダンクレオステウスのあごの力は、絶滅した魚および現存の魚の中で最も強いものだ」と、2人の研究者は主張している。これまで知られている範囲では、ダンクレオステウスよりあごの力が強い生物は、大型のワニと恐竜だけだとされている。
この研究の論文は、英国王立学士院(Britain's Royal Society)刊行の専門誌『Biology Letters』に掲載された。
ダンクレオステウスは甲冑魚の仲間の板皮類の一種。4億1500万年前から3億6000万年前の古生代デボン紀後期に生息していた。体は固い装甲で包まれており、大きさは小型バスと同じ10メートルほど。ほかの甲冑魚や原始的なサメを捕食していたため、機敏な動きと強いあごが不可欠だった。
ちなみに、これまで地球に生息した生物の中であごの力が最も強いのは、恐竜のティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)だと考えられている。推定13400ニュートンの力で骨をかみ砕くことができたとされているが、この数値の正確性については疑問視する声もあがっている。
写真は、シカゴのフィールド自然史博物館が発表したダンクレオステウスのイメージ画像(撮影日不明)。(c)AFP/THE FIELD MUSEUM-Karen Carr