【ダーラム/米国 21日 AFP】『ハリー・ポッター』ファンにうれしい知らせが届けられた。ノースカロライナ(North Carolina)州ダーラム(Durham)のデューク大学(Duke University)など英米の科学者らによる研究チームが、着用すると姿が見えなくなる「透明マント」の研究開発を進めているという。
■「電磁波を反射しない素材」からの応用
今回の研究の基となったのは、ロンドンのインペリアル・カレッジ(Imperial College)のサー・ジョン・ペンドリー(Sir John Pendry)教授が、2006年初頭に発表した理論。この研究は当初、電磁波を反射しないために、検知されない素材を開発することに焦点が当てられた。
例えて言うなら、川の水が大きな岩に何ら妨げられることなく、その岩を迂回して自然に流れるようなもの。電磁波もこの素材のまわりを自然に迂回すれば、検知されない。
現在、科学者たちは、理論的には電磁波だけでなく、同じ原理をあらゆる可視周波に応用できるはずで、それが実現されれば「見えない」素材で、『ハリー・ポッター』さながらの本物の「透明マント」が発明できると考えられている。
■すでに、試作品も完成
開発を重ねた結果、研究チームは、ファイバーグラス・コンポジットシートで金属の円筒とワイヤを覆った人工素材を完成させ、これを使って12.7センチのマントを制作した。
この人工素材は、電磁波を反射しない、つまり「目に見えない」という特性を持つ一方で、柔軟性があるためどんな形状にも応用可能。マントのような柔らかいものにも使用できる。身にまとえば、そこに何もないように見えるという仕組みとなる。
「各素材の特性を組み合わせることで、この人工素材に『見えない』という特性を持たせることができた。マントのように、身にまとえば、そこには何もないように、見えるはずだ。光の反射を防ぐと同時に、影も生じさせないので、探知が完全に不可能となる」とデューク大学の科学者デヴィッド・スミス(David Smith)氏は語った。
類似した発明としては、レーダーに探知されない米空軍の「見えない戦闘機」ステルスがある。しかしステルスの場合は、レーダーの電波を敵に受信させにくくする技術であり、実際に機体自体が「見えなく」なるわけではない。
写真は20日、デューク大学が公開した「透明マント」の素材。(c)AFP/DUKE UNIVERSITY
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