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NASAの天体物理学者ら、「宇宙背景放射のゆらぎ」でノーベル物理学賞を受賞 - 米国

  • 2006年10月04日 07:23 発信地:米国
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写真は3日、ワシントンのNASA本部で記者会見するマザー氏。(c)AFP/Nicholas KAMM

【ストックホルム/スウェーデン 4日 AFP】スウェーデン王立科学アカデミーは3日、今年のノーベル物理学賞(Nobel Prize for Physics)を、「ビッグ・バン(Big Bang)の解明に大きく貢献した」として米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターのジョン・マザー(John C. Mather)上席研究員(60)と米カリフォルニア大バークリー校のジョージ・スムート(George F. Smoot)教授(61)に贈ると発表した。

 2人は、「ビッグ・バン」(約137億年前に発生した宇宙の始まりとされる大爆発)後の影響を調査するNASAのプロジェクトで中心的な役割を果たしてきた。1989年に打ち上げられた宇宙背景放射探査衛星「COBE(コービー)」を使って、1940年代後半に提唱された「ビッグバン理論」を実証するとともに、最初の銀河がいつ、どのように形成されたか、解き明かす糸口を発見した。宇宙の進化を研究する英国のスティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士は、COBEの成果を「20世紀最大の発見」と呼んでいる。

■ 黒体輻射の研究に評価

 マザー氏は、黒体輻射(熱平衡状態にある黒体から放出される熱放射)の研究では第一人者。ビッグバン理論のなかで、宇宙の温度が3000度まで下がり、「宇宙の晴れ上がり」といわれる膨張とともに、宇宙全体から観測されるマイクロ波の背景放射、いわゆる「宇宙背景放射」(Cosmic Microwave Background、CMB)に約2.7ケルビンの温度の揺らぎを発見し、これにより「完璧な黒体スペクトル」つまり「ビッグバン当時の宇宙の温度分布図」を示したことが評価された。1ケルビンは摂氏マイナス273度。

マザー氏は3日、ノーベル財団(Nobel Foundation)とのインタビューの中で、「黒体スペクトルの存在はビッグ・バン理論でしか説明がつかない。したがって、ビッグ・バン理論はこの黒体スペクトルで実証されたことになる」と述べた。

 一方、スムート氏はこの放射における温度のゆらぎを発見したことが評価された。このゆらぎにより、ビッグバンの力の方向と、宇宙の拡張が実証された。温度ゆらぎがあったから、宇宙の物質密度が不均一になり、星や銀河が生まれたと考えられている。

■ 受賞の喜び

少年時代は科学フィクションものを読むことが大好きだったというスムート氏は、受賞の知らせに驚き、「ノーベル賞のホームページでそれが夢ではないことを確認した」という。同氏はスウェーデンのラジオ局とのインタビューに「大変うれしい。興奮しています。また、COBEチームの功績が認められたことを大変光栄に思います」と受賞の喜びを語った。

 ノーベル賞選考委員の1人は、「これらの発見により、宇宙論は頭のなかで考えるものから、観測データをもとに議論する『精密科学』に変わった」とのコメントを発表している。

 2人は金メダルと賞状、そして賞金を受け取る。賞金は1000万クローネ(約1億6000万円)で、2人で分ける。授賞式は12月10日にスウェーデンのストックホルムで行なわれる。

 写真は3日、ワシントンのNASA本部で記者会見するマザー氏。(c)AFP/Nicholas KAMM

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