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赤ちゃんザメを「共食い」から救うハイテク人工子宮 - オーストラリア

  • 2006年08月25日 15:36 発信地:オーストラリア
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【シドニー/オーストラリア 14日 AFP】ある種のサメには、子どもが子宮内でふ化した時に他の兄弟を食べてしまう習性がある。サメの子どもたちをこうした「共食い」から救うため、現在オーストラリアの研究者たちは賢明な努力を続けている。

 オーストラリアの公的研究機関であるCronulla魚類センターでは現在、サメの人工子宮の開発に取り組んでいる。人工子宮の中では、グレイ・ナース・シャーク(シロワニ、grey nurse shark)の胎仔は共食いをせずに成長することができるという。同センターののサメ研究者Nick Otway 氏が24日、AFPの取材に応じて語った。

■「子宮内共食い」で絶滅の危機

 グレイ・ナース・シャークの場合、左右2つの子宮で40匹以上の胎仔がふ化する。ところが、その1年後の出産時には、1つの子宮に1匹、合計2匹の胎仔しか残っていない。その胎仔がほかの胎仔を食べてしまうからである。この種のサメ独自のこうした行動を、Otway氏は「子宮内共食い」と呼ぶ。
「ふ化して10か月後、胎仔が10センチ近くになった時に、発達したあごで他の兄弟を食べ始めるのです。この奇妙な繁殖方法は、グレイ・ナース・シャークにとって大きな問題です。これが原因で、種の個体数が激減しているからです」とOtway 氏は説明する。

 グレイ・ナース・シャークは3メートルまで成長し、種の起源は7000万年以上前にさかのぼる。2年間に2匹しか出産しないため、食物連鎖の上位の動物であるにもかかわらず、現在深刻な絶滅の危機に瀕している。現在オーストラリアの東部沿岸では、わずか数百匹しか生息しておらず、最も絶滅の危険性の高い「絶滅危ぐⅠ類」に指定されている。世界的にも「絶滅危ぐⅡ類(絶滅 の危険が増大している種)」に指定されている。

■絶滅の危機を救う人工子宮

 この種のサメを救うため、Cronulla魚類研究所の研究者たちは現代の最新技術を利用してしている。Otway 氏たちの研究チームの計画では、妊娠したサメを捕獲して、その胎仔が共食いを始める前に子宮を洗い流し、人工子宮であるチューブ型の水槽で胎仔たちを育てることになっている。同研究チームは現在、本物と同じ性質の人工子宮液を開発しているが、研究すべきことや取り組むべきことはまだまだ沢山あるとOtway 氏は語る。5年後には、最初の「ハイテク・ザメ」が人工子宮から産まれる予定で、成功すれば世界初の快挙になるという。

 グレイ・ナース・シャークが、なぜこのような共食いを行うかについて、いまだに定説はない。Otway 氏は「子宮内での共食いには、適者生存の法則と同様に進化上の利点があります。ですが大きな動物でも攻撃される可能性はあるので、運が悪ければ数が減ってしまうこともあります」と語った。(c)AFP
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