【9月19日 AFP】レイプ被害後にインターネット上で数か月にわたっていじめを受け自殺したカナダ人少女の写真が、交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)上に掲載された出会い系サイトの広告に使われ、少女の両親が憤りをあらわにしている。

 カナダ・ノバスコシア(Nova Scotia)州に住んでいたラテイア・パーソンズ(Rehtaeh Parsons)さん(当時17)は、2011年にパーティーで酒を飲んだ状態で4人の少年にレイプされた後、ネットいじめに遭い、今年4月に自ら命を絶った。レイプの様子を写したとされる写真をネット上で広めた疑いで先月、男2人が逮捕され、19日に裁判所に出廷する予定だ。

 ところが今週、出会い系サイト「ionechat.com」が、レイプ場面とは別のラテイアさんの写真をフェイスブック広告に使用した。

 ラテイアさんの父親グレン・カニング(Glen Canning)さんはAFPに、広告を最初に見たときは自分の目を疑ったと話した。「娘はネット上で繰り返し嫌がらせを受け、自殺に追い込まれた。そんな娘の写真が出会い系サイトの広告に使われ、フェイスブックに掲載されるなんて、うんざりする」

 カニングさんはまた、サイト側が何も知らずにラテイアさんの写真をネットから拾ってきたのか、話題作りのために故意に使用したのかは分からないとも話した。

 フェイスブックは直ちに広告の掲載を中止し、ラテイアさんの遺族に謝罪。「広告主がインターネットから取得した画像を利用した結果起きた、極めて遺憾な事例」だとの見解を示すとともに、問題の出会い系サイトのアカウントを永久に削除したと説明した。 「ionechat.com」は現在、閉鎖されている。(c)AFP