【7月16日 AFP】米アップル(Apple)は15日、中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の女性(23)が、充電中の同社のスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」で通話して感電死したとされていることについて、徹底調査を行うと表明した。

 死亡した馬愛倫(Ma Ailun)さんの姉妹が13日、中国版ツイッター(Twitter)、マイクロブログサービスの「新浪微博(Sina Weibo)」に、「こんな形で亡くなるなんて残念でたまらない」、「アップルが説明してくれることを期待する」などと書き込み、充電中のiPhoneで通話しないよう呼びかけたことで注目を集めた。

 北京(Beijing)のアップル中国法人のスポークスマンは、「この件について徹底的に調査し、当局に協力する」と述べるとともに、死亡した女性の家族に哀悼の意を表した。

 中国国営の新華社(Xinhua)通信が14日報じたところによると、地元警察は馬さんが感電死したことを確認した一方、携帯電話が原因だったのかは分かっていないとしている。

 新浪微博には、感電死の危険を懸念する声だけでなく、馬さんの姉妹による書き込みの信ぴょう性を疑う声も寄せられた。あるユーザーは「もしこの事故が本当ならば、携帯を使う時はもっと注意しよう」と述べた一方、「誰かがアップルを中傷しようとしているのか?」と付け加えた。

■アップル製品は中国で人気、4月には国営メディアから批判も

 アップルにとって2番目に大きい市場である中国で、iPhoneをはじめとするアップルの製品の人気は高い。しかし中国国営メディアは今年3月、アップルは「傲慢(ごうまん)」で、中国でのアフターサービスでダブルスタンダードを用いているなどとして、批判を浴びせた。

 中国共産党の機関紙、人民日報(People's Daily)は、5日連続でアップルを批判する記事を掲載し、「他に例を見ないアップルの傲慢さ」を攻撃するよう消費者に促した。また中国のメディアは、中国の消費者は新品の機器バックカバーに約80ドル(約8000円)支払わなければならないが、他の市場では無料で提供されていると指摘した。

 こうした事態を受けて、アップルのティム・クック(Tim Cook)最高経営責任者(CEO)は4月、「不安や誤解を与えてしまったことに対し、心からおわびする。われわれはまだまだ学ぶべきことが多い」という中国語の謝罪声明文をウェブサイトに発表した。(c)AFP