【6月18日 AFP】米アップル(Apple)は17日、米当局から過去6か月間に4000~5000件の顧客データ提供の請求を受けたことを明らかにした。米フェイスブック(Facebook)と米マイクロソフト(Microsoft)も数日前に同様の情報を発表している。

 米当局による大がかりな秘密監視プログラム「PRISM」が暴露されて以降、アップルやフェイスブック、マイクロソフト、その他のインターネット大手やIT大手企業は、批判のまなざしを向けられている。PRISMについて当局は、外国人のテロ容疑者のみが対象であり、攻撃阻止に役立ってきたと主張している。

 内部告発者のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)氏の情報によると、9社が米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)に情報を提供していたとされる。

■6か月で請求5000件、9000~1万アカウント

 アップルはウェブサイトで発表した声明で、2012年12月1日から2013年5月31日までの期間に、連邦当局、州当局、地方の法執行機関から受けた顧客情報の請求は約5000件に上り、関連するアカウントまたは端末は9000~1万だったと述べた。請求は主に、犯罪捜査や行方不明の子どもやアルツハイマー病患者の捜索、自殺の防止などを目的としたものだったという。

 一方でアップルは、同社がユーザーのプライバシー保護に積極的に取り組んでおり、裁判所命令のある場合に限って情報を提供していると述べた。

 アップルは、ビデオ通話ソフトFaceTime(フェースタイム)やメッセージサービスiMessage(アイメッセージ)など、同社の一部サービスの通信は「端末相互間で暗号化されており、送り手と受け手以外には(そのデータを)見ることも読むことも出来ない」と説明した。また、「同様に、顧客の位置関連情報や地図での検索履歴、音声認識ソフトSiri(シリ)でのリクエストなども、個人を特定することが可能となる方法では保管していない」と述べた。

■各社が請求件数などを発表

 フェイスブックは14日、昨年下半期に1万8000~1万9000アカウントに関連した9000~1万件の請求を受けたと発表。マイクロソフトは、3万1000~3万2000アカウントに関連した6000~7000件の請求を受けたと発表していた。

 ただ、テロ捜査に関連して出された秘密裁判所命令の請求件数が何件に上るのかについては、法律で公開を禁じられているとして両社ともに公開していない。

 また、NSAが各社のサーバーに直接アクセスできるとの主張については、各社ともに否定している。(c)AFP