【6月14日 AFP】最近発売された車の多くにはハンズフリー音声認識システムが搭載されているが、運転中に手を使って携帯メールなどの操作をする危険性は、ハンズフリーだったとしてもなくならないとの研究結果を12日、米ユタ大学(University of Utah)の研究チームが発表した。

 全米自動車協会基金(AAA Foundation)の後援で、運転中の注意散漫状態の測定法を開発している同大のチームは、被験者32人の頭部にセンサーを装着し、運転シミュレーターと実際の運転の両方で一連のテストを行った。

 研究は現在も進行中だが、初期の段階で、新しい車の多くが特徴としているハンズフリー音声認識システムを使ったメッセージ送信は、ラジオを聴いたり同乗者と会話するよりも気が散りやすいことが示された。論文は「自動車への音声認識システムの採用には、交通安全に対する意図しない弊害がある可能性を明確に示している。新しい技術によって道路から目を離さないからといって、自動車が動いているときに使用しても安全というわけではない」と指摘している。

 昨年の報告書の中で米安全性評議会(National Safety Council)は、米国での自動車の衝突事故全体のうち24%に携帯電話の使用が関わっていると推定している。運転中の携帯電話使用を禁じているいくつかの州でも、多くの運転者が堂々と使用しているという。(c)AFP