【5月1日 AFP】ウェブ20周年を記念したプロジェクトの一環として、史上初めて制作されたウェブページが、サイバースペースから取り出され、現代のウェブブラウザ向けに再構築される。20周年記念プロジェクトを主催する欧州合同原子核研究所(European Organisation for Nuclear ResearchCERN)が4月30日、発表した。

 CERNは、WWW(ワールドワイドウェブ、W3)の第一号となったウェブサイトと、その画期的な技術を可能にしたハードウェアの再現を進めている。史上初のウェブサイトは、初期のブラウザの利用者たちがその新しいシステムについて学び、自らウェブページを作れるようにするために技術自体を説明する内容だった。

 CERNのウェブマネージャー、ダン・ノイズ(Dan Noyes)氏はAFPの取材に、今回のプロジェクトで将来の世代もウェブの起源と重要性、現代の生活にウェブが及ぼした影響について理解できるようになると語っている。

■ウェブ無料開放から20年

 このプロジェクトは、CERNがWWWを全世界に無料で開放してから20年となるのを記念して立ち上げられた。

 英国出身の物理学者、ティム・バーナーズリー(Tim Berners-Lee)氏が物理学者間での情報の共有を目的にCERNでWWWを発明したのは1989年だが、WWWは当時、インターネットを使用した情報検索システムの一つにすぎなかった。

 ノイズ氏は1993年4月30日(のCERNによるWWW開放)について「ウェブの歴史における最も重要な時期の1つだった」と語っている。

■より古い複製データを捜索中

 CERNのチームはすでに、史上初のウェブサイトの1992年に取得されたコピーを使ってファイルを再構築した(http://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.htmlで閲覧が可能)。より以前の、1990年に作成されたコピーのディスクがあるはずだが、まだ見つかっていないという。

 ノイズ氏は、このプロジェクトは誰でも参加可能である点を強調し、多くの人々に参加を呼び掛けている。1990年のコピーが入ったディスクがどこにあるか知っている人がいれば、ぜひ協力してほしい、と同氏は語った。(c)AFP/Nina LARSON