【4月4日 AFP】3日、携帯電話は誕生から40周年を迎えた。だが、「iPhone(アイフォーン)」などの新型スマートフォン(多機能携帯電話)や、開発が噂される交流サイトのフェイスブック(Facebook)をテーマとした新端末に注目が集まる市場では、これを記念する催しは特に行われなかった。

 史上初の携帯電話通信は1973年4月3日、米モトローラ(Motorola、社名は当時)のモバイル通信技術開発チームを率いていた技術者、マーティン・クーパー(Martin Cooper)氏によるものだった。クーパー氏はニューヨーク(New York)の6番街から「Motorola DynaTAC」を使って電話をかけた後、記者会見場に現れた。モトローラによると、DynaTACの重さは1キロで、バッテリー持続時間は20分だったという。

 クーパー氏は昨年、技術情報サイト「ザ・バージ(The Verge)」に対し、最初に電話をかけた相手は競合関係にあったベル研究所(Bell Labs)のジョエル・エンゲル(Joel Engel)氏だったと語っている。「彼は今でも、モトローラが当時したことを恨んでいる」

「彼ら(ベル研究所)にとって私たちは障害だった。私たちは多くのプレーヤーによる『競争』を信じていた。また、ポータブル機器の可能性を信じていた。人々は移動するものだから。彼らは自動車電話を開発し、独占状態を築こうとしていた。この戦いこそが、私たちがあの電話を作った理由だった」

 クーパー氏とその開発チームには今年、全米技術アカデミー(National Academy of Engineering)からその業績をたたえてドレイパー賞(Draper Prize)が授与された。

 40年間で携帯電話市場はめざましい発展を遂げた。調査会社IDCは、2013年のスマートフォン販売台数は9億台、それ以外の携帯電話の販売台数もほぼ同数になると予測している。

 携帯電話はまた、主要な広告プラットホームとなっている。米インターネット調査会社eMarketerによると、米国で昨年モバイル広告に使われた額は、前年比178%増の41億1000万ドル(約3800億円)、2013年はさらに77.3%増の72億9000万ドル(約6800億円)に達する見込みだ。(c)AFP