【7月17日 AFP】看護師たちは、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿された、自分たちを「性的な対象」や「知性がない」などと表現した動画に抗議すべき――。このような内容の調査報告が、16日発行の看護師向け専門誌に掲載された。

 アイルランドにあるユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(University College Dublin)のジェラード・ファーリー(Gerard Fealy)教授(看護学・産科学)率いる調査チームは、ユーチューブで「nurses(看護師)」と「nursing(看護)」という2つのキーワード検索を行い表示された動画のうち、再生回数の上位10本を分析した。

 動画のうち4本は看護師が投稿したもので、自分たちの職業を高度な技術を要する専門職で、やりがいのあるものとして表現していた。  別の2本はアニメと米国のコメディードラマからのもので、看護師を「頭が悪い」もしくは「仕事が出来ない」人として描いていた。

 残る4本は米コメディードラマ、米大手企業とベルギーのランジェリーメーカーのコマーシャル、そしてオンラインのニュース番組からの動画で、看護師にきわどい服を着せたり、男性の性的空想を満たす存在として登場させたりしていた。

 「ユーチューブは一般人のメディアと認識されているが、ジェンダー規範に縛られたネガティブで屈辱的なステレオタイプを拡散するという点で、他の大衆メディアと何ら変わりはないことを、われわれの調査結果は示している。このようなステレオタイプは、人々が看護師に対して持つ認識や行動に影響を与えうるものだ」(ファーリー教授)

 さらに教授は、看護師に対する不適切なイメージを払拭するよう各団体が法律制定者に対し働きかける必要があると訴え、ユーチューブに詳しい看護師たちには、ポジティブなイメージを発信するよう推奨するべきだとしている。(c)AFP