【7月9日 AFP】米アップル(Apple)のパーソナルアシスタント「Siri(シリ)」に音声認識機能の特許を侵害されたとして、中国のIT企業「上海智臻網絡科技(Shanghai Zhizhen Network Technology)」が上海の裁判所にアップルを提訴した。

 上海智臻網絡科技の音声認識システム「小i机器人(Xiao i Robot)」は2004年に特許を取得。アップルの「Siri」と同様にユーザーと対話をするソフトウエアで、iOSやアンドロイド端末に対応している。一方、前年「iPhone 4S」に搭載されてデビューした「Siri」の初期型が開発されたのは2007年だ。

 上海智臻網絡科技の代理人を務める弁護士によると、2か月前にアップル側に法定通知を行ったが回答が得られなかったため、6月下旬に上海市第1中級人民法院(地裁)に訴訟を起こした。特許侵害行為の停止と訴訟費用の支払いを求めているが、「裁判所がアップルの特許侵害を認めた場合には損害賠償も要求する方針」だという。

 一方、上海智臻網絡科技の社長によると、アップルの基本ソフト(OS)「スノーレパード(Snow Leopard)」についても、別の中国企業が商標権の侵害だとしてアップルを提訴したという。

 アップルは前週、タブレット型端末「iPad(アイパッド)」の名称が商標権の侵害にあたるとして広東(Guangdong)省深セン(Shenzhen)の台湾系IT企業「唯冠科技(Proview Technology)」に訴えられた裁判で、同社に6000万ドル(約48億円)を支払って和解したばかり。(c)AFP