【6月14日 AFP】ドットコムの独占時代は終わりに近づいているのだろうか。新たなトップレベルドメイン申請を受け付けていた、ネットドメイン・IPアドレスを管理する非営利組織ICANNInternet Corporation for Assigned Names and Number)は13日、申請があったドメイン名を発表した。申請は、ごく一般的な「.shop」から対象が限定される「.motorcycles」など1930件に上ったという。

 今後、「.com」といったウェブアドレスは「.sex」「.app」「.fail」などのジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)を持つサイトと競合を強いられることになるかもしれない。
 
 米国に拠点を置くICANNのロッド・ベックストロム(Rod Beckstrom)最高経営責任者(CEO)は、英ロンドン(London)での新ドメイン発表にあたり、「今日は、インターネット界およびウェブサイトを日々利用する20億人にとって歴史的な日だ」と宣言した。

 これまで使用されてきたジェネリックトップレベルドメインは、「.com」など22種類だった。

 ベックストロム氏よれば、申請のあったドメイン名を全て審査するには1年8か月は必要で、これらのドメイン名が実際に適用され始めるのは2013年の第1四半期ごろになるという。

 ベックストロム氏は、現段階はあくまでも申請を受け付けただけで、全ての新ドメインが承認されるわけではないと強調。審査は厳密かつ客観性および独立性を持って行われると説明した。

 新ドメイン申請が最も多かったのは北米からの911件で、申請費総額は18万5000ドル(約1470万円)。次いで欧州の675件、アジア太平洋地域の303件と続く。一方、中南米・カリブ海諸国からの申請は24件、アフリカからはわずか17件だった。

 具体的なドメイン名の申請例としては、バチカン市国の「.catholic」、トルコ企業の「.islam」など宗教に絡んだものがあった。また「.pizza」が4件、「.baby」が6件、「.basketball」が3件などもある。「.nyc」など土地に関連する申請は66件あった。

 新ドメイン名には、申請費用に加えて毎年2万5000ドル(約200万円)の維持費が必要になる。

 ベックストロム氏によれば、新ドメイン申請によってICANNの収入は3億5200万ドル(約280億円)増えたが、やっと収支が合う程度だという。

 アダルトサイト専用ドメイン「.xxx」の登録管理を行うICM Registryが、さらに「.sex」「.porn」「.adult」のトップレベルドメイン取得を計画しているほか、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)を拠点とするウェブホスティング企業Directiは、「.law」「.bank」「.doctor」などの新ドメイン申請に約3000万ドル(約23億8000万円)を投じている。(c)AFP/Katy Lee

【関連記事】
「.apple」「.IMF」など可能な新ドメイン、申請開始直前に広がる懸念
アダルトサイト専用ドメイン「.xxx」の正式登録開始