【4月20日 AFP】インターネット上でクラウドサービスを提供する大手IT企業のクリーンエネルギー使用状況に関する調査報告で、米アップル(Apple)やインターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)、マイクロブログのツイッター(Twitter)に低い評価が与えられた。

 一方、ソーシャルネットワークサービス(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)、米検索大手グーグル(Google)、同ヤフー(Yahoo!)への評価は高かった。

 17日発表された国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)による報告書「How Clean is your Cloud?(あなたのクラウドはどのくらいクリーン?)」は、対象企業のデータセンターの運用方法やエネルギー問題について、批判ではなく、呼び掛けを目的としているという。

 アップルはデータセンターの効率性、電力使用に関する情報公開、クリーンエネルギー提供を呼びかけるロビー活動などの項目で、「D」評価だった。また、データセンターの設置場所に、化石燃料ではなくクリーンエネルギーが供給される地域を選んでいるかという項目の評価は「F」だった。

 一方、アマゾン・ドットコムと、クラウドベースのサービスを提供するアマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)への評価は、データセンターの効率性が「E」だった以外は全項目で「F」と非常に低かった。

■クラウドは「世界第5位の電力消費国」

 インターネット上のソフトウェアを使用する「クラウド」の仕組みを利用したウェブベースの電子メールや動画視聴、写真共有、SNSなどのサービスの人気が高まるにつれ、データセンターの需要は増加している。グリーンピースによれば、もし世界各地のデータセンターを1つの国と考えると、電力消費量は世界第5位だという。

 データセンターの設置場所を決める際には電気代の安さが重要な要素なため、化石燃料発電地域に建てられることが多いが、化石燃料は気候変動の要因となる温室効果ガスの最大の発生源だ。

 電力会社にとってもデータセンターは大口顧客として歓迎されることから、クリーンエネルギーへの移行を推進する上でIT企業が持つ影響力は大きいとグリーンピースは指摘している。(c)AFP/Glenn Chapman

【参考】国際環境保護団体グリーンピースによる報告書「How Clean is your Cloud?」(英語)