【1月20日 AFP】米司法省は19日、著作権法違反で香港(Hong Kong)を拠点とするファイル共有サイト大手「メガアップロード(Megaupload)」のウェブサイトを閉鎖し、同社関係者7人を起訴した。これに反応したハッカー集団のサイバー攻撃により、同省と米連邦捜査局(FBI)のウェブサイトは一時停止に追い込まれた。

 米司法当局と米連邦捜査局(FBI)は、メガアップロードがインターネット上で著作権を侵害したほか、加入料や広告収入などで不正に数百万ドルを得たとして「米国史上、最大規模の著作権違反の1つだ」と表現した。具体的には、映画やテレビ番組などメディア・コンテンツの違法コピーを提供し、著作権保有者の権利を侵害する行為で、1億7500万ドル(約135億円)の利益を得たとしている。

 起訴された7人には、メガアップロード創設者で香港在住のキム・ドットコム(Kim Dotcom)氏(37)も含まれており、同氏ら4人は19日、ニュージーランドのオークランド(Auckland)で米国の逮捕状に基づき身柄を拘束された。全員、ドイツなど欧州諸国の国籍を持つ。

 メガアップロードは、映画俳優らハリウッド(Hollywood)のセレブの間で人気のファイル共有サイトで、ラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)さんら多くの人気スターが利用している。

 19日の報道によると、メガアップロードの最高経営責任者は歌手アリシア・キーズ(Alicia Keys)さんの夫で音楽プロデューサーのスウィズ・ビーツ(Swizz Beatz)氏だが、ビーツ氏は今回起訴されていない。

 メガアップロード閉鎖措置にすばやく反応したのが、国際ハッカー集団「アノニマス(Anonymous)」で、報復として米司法省などのウェブサイトにサイバー攻撃を仕掛け、ダウンさせたとの声明をツイッター上で発表。米司法省、FBI、音楽大手ユニバーサル・ミュージック(Universal Music)、全米レコード協会(Recording Industry Association of AmericaRIAA)のサイトへの接続が一時できなくなった。(c)AFP/Arthur MacMillan