【1月20日 AFP】米アップル(Apple)は19日、タブレット型情報端末「iPad(アイパッド)」を電子教科書として使える無料アプリケーション「iBooks 2(アイブックス2)」を公開し、いよいよ教科書市場へ参入した。

「iBooks 2」最大の強みは双方向性だ。米ニューヨーク(New York)で開いた報道説明会で、アップルのフィリップ・シラー(Philip Schiller)上級副社長は「よりダイナミックな、本物の双方向学習が実現する」と説明した。シラー副社長によれば、米国内外の学校における「iPad」利用は急速に拡大しており、既に150万台が教育機関に導入されているという。

「iBooks 2」では、双方向アニメーション、グラフ、写真、動画などが利用できる。すばやく流れるようなナビゲーション、重要ポイントのハイライト、分かりやすい検索や定義機能も特徴だ。復習機能やスタディカード(単語帳)も備わっている。

 電子教科書コンテンツの作成は、米教育関連出版社のホートンミフリンハーコート(Houghton Mifflin Harcourt)、マグロウヒル(McGraw-Hill)、ピアソン(Pearson)などと提携。アップルの電子書籍ストア「iBookstore(アイブックストア)」では、高校の教科書の大半が14.99ドル(約1200円)以下と印刷版よりはるかに低価格で販売されるという。

 アップルはまた、マッキントッシュPCで「iBooks」用の教科書を作成・出版できる無料ソフト「iBooks Author(アイブックス・オーサー)」も公開した。

 米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)なども電子教科書市場への参入を狙っているが、こうした中で「iBooks 2」や「iBooks Author」の登場が出版・コンテンツ流通ビジネスの「民主化」を推し進めるだろうと、テクノロジー調査会社フォレスター・リサーチ(Forrester Research)のアナリスト、サラ・ロットマン・エプス(Sarah Rotman Epps)氏は語っている。(c)AFP