【12月9日 AFP】米アップル(Apple)がタブレット型端末「iPad(アイパッド)」の中国国内での商標権を侵害しているとして中国企業を訴えていた裁判は6日、アップル側が敗訴した。

 中国国営メディアや司法筋によると、アップルは広東(Guangdong)省深セン(Shenzhen)の台湾系IT企業「唯冠科技(Proview Technology)」が、中国での「iPad」商標を侵害していると主張していた。しかし、深センの裁判所は、これを「裏付ける事実と証拠に欠く」として、アップルの訴えを棄却した。

「iPad」の商標は、台湾にある唯冠科技の親会社が、アップルのiPad発売以前の2000年に中国で商標を登録し、続いて複数の国でも商標登録を行っていた。新華社通信(Xinhua)によるとアップルは09年、3万5000ポンド(約430万円)を支払ってこの親会社から商標を買い取ったが、中国国内での商標は子会社である唯冠科技が保持したままだったという。

 唯冠科技は現在、倒産の瀬戸際にあるが、同社の債務再建を引き受けている会社によると今回の判決を受け、唯冠科技はアップルに対し商標権侵害で100億元(約1200億円)の損害賠償を請求する方針という。

 AFPの取材に対し、アップルはコメントを拒否した。(c)AFP