【6月21日 AFP】米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)が、米アップル(Apple)のタブレット型端末「iPad」からウェブブラウザSafariを経由しての同紙電子版へのアクセスを遮断している。iPadユーザーにニューヨーク・ポストの有料アプリケーションを利用してもらうためだ。

 現在、iPadユーザーがSafariブラウザからニューヨーク・ポストの電子版「NYPost.com」を開こうとすると、「iPadからNYPost.comの記事にアクセスするには専用アプリケーション『New York Post App』が必要です」とのメッセージが表示される。

「New York Post App」は、アップルのオンラインストアApp Storeから1.99ドル(約160円)でダウンロードできる。オンライン版ニューヨーク・ポストの購読料は月6.99ドル(約560円)だが、最初の30日間は試用期間として購読は無料だ。

 ニューヨーク・ポスト電子版へのアクセス遮断が適用されるのは、iPadでSafariを経由した場合のみで、デスクトップやノートPCからは、これまで通りアクセスできる。
 
 こうしたニューヨーク・ポストの動きに先立ち、同紙を所有するメディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp)のルパート・マードック(Rupert Murdoch)会長は、新聞の売り上げ部数の縮小や広告収入の減少する時代を迎え、傘下の新聞の電子版の有料化を始めている。

 すでにニューズ・コーポレーション傘下の米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)、英紙タイムズ(The Times)、同日曜紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)の電子版は有料となっているほか、豪紙オーストラリアン(The Australian)の電子版も10月から有料となる予定だ。

 その一方で、ニューズ・コーポレーションは2月、iPad専用の電子新聞「ザ・デーリー(The Daily)」を立ち上げている。「ザ・デーリー」の購読料は週99セント(約80円)。(c)AFP