【6月5日 AFP】ブラウザーで一世を風靡(ふうび)したネットスケープ・コミュニケーションズ(Netscape Communications)の共同創業者で、2010年にベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)を立ち上げたマーク・アンドリーセン(Marc Andreessen)氏が1日、米カリフォルニア(California)州ランチョパロスベルデス(Rancho Palos Verdes)で開かれたIT業界の会議「All Things Digital」で講演した。この中で同氏は、最近取りざたされている、新しいハイテクバブルが発生しているのではないかという見方を否定した。

「今がバブルだと考えている人はとても多い。しかし、誰もが今はバブルではないと言うのがバブルの特徴だ。つまり、今はバブルではない」とアンドリーセン氏。「一般的に、だれもかれもが興奮したら、それは良いサインだと言える。今はバブルだという見方が広がって欲しいね。そうすれば相場が下がるから」

 アンドリーセン氏はアップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)、グーグル(Google)、シスコシステムズ(Cisco Systems)などのIT業界大手の株価収益率(PER)が非常に低くなっていることを示し、株式市場でこれらの優良企業が実態より低く評価されるという、バブルとは反対の現象が起きていると述べた。

 5月にニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange)に上場し、上場初日に株価が2倍以上になったビジネス向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「リンクトイン(LinkedIn)」について質問されたアンドリーセン氏は、「第1に1つの会社に過ぎない。第2に上場して間もない。第3に株式数が少ない。第4に株式市場が成長に飢えているなか、リンクトインは急成長している」と述べ、同社に対する投資家の関心の高さを反映したもので、株式市場がバブルになっているのではないと答えた。(c)AFP