【11月19日 AFP】米マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)に中国の反日デモを風刺する書き込みをした中国人女性に対し、「社会的秩序を乱す」として裁判所が1年間の労働教養所行きを命じたことが明らかになった。

 この女性は、程建萍(チェン・ジャンピン、Cheng Jianping)さん(46)。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は17日、「ただ一言のツイートで良心の囚人となった」初の中国国民だろうとして、中国当局の決定を批判するとともに程さんの釈放を求めている。

 中国の人権擁護団体「チャイニーズ・ヒューマンライツ・ディフェンダーズ(Chinese Human Rights DefendersCHRD)も18日、程さんが拘束され、河南(Henan)省中部で留置されていたことを確認した。AFPの取材に対し、裁判所は回答していない。

 アムネスティによると、9月の沖縄県尖閣諸島沖での海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件をきっかけに中国で反日機運が高まっていた10月17日、程さんはツイッター上で、婚約者の華春輝(Hua Chunhui)さんによる反日デモを風刺した書き込みを引用し、「怒れる若者よ、突撃せよ!」と書き込んだ。

 アムネスティのサム・ザリフィ(Sam Zarifi)アジア太平洋支部長は、「風刺であることが明白な他人の書き込みをツイッター上で引用しただけで、裁判もなしに1年も労働教養所へ送るとは、ネット上の表現に対する中国の弾圧レベルを示している」と非難している。(c)AFP