【6月11日 AFP】世紀の変わり目だった2000年、世界はコンピューターのバグの一斉発生を懸念し「Y2K問題」として大騒ぎになったが、台湾では今年、2010年の大晦日から翌日元旦にかけて、台湾版Y2K問題が起こるのではないかという不安が高まっている。

 台湾では、中国最後の皇帝が倒れた辛亥革命が起こった1911年を起点とする独自の暦を採用している。このため2011年の1月1日は、台湾の暦では100年の1月1日と数えられる。

 このため暦の年数の桁が増えると、古いコンピューターが対応できずに大混乱を巻き起こすのではないかという懸念が広まっている。台北(Taipei)郊外新店(Hsintien)のITコンサルタントのもとにはこの半年間、コンピューターのハードウエア、ソフトウエアのアップグレードの仕方を尋ねる人が殺到しているという。

 専門家らは、台湾国内の企業や商店などで使用されているコンピューターで、台湾版Y2K問題に対処できない可能性のあるコンピューターは20万台に上ると推計している。
 
 2000年のY2K問題のときには、世界中の企業や政府機関が膨大な費用を対策に投じた。しかし時計がまわってみると、2000年になってもほんのわずかな支障に限られ、描かれていた最悪のシナリオのような状況は結局、どれも引き起こさなかった。

 ただし、台湾の財務省の最近の世論調査によると、台湾の小規模事業主のうち15%が、Y2Kは起こると思っていても何の対策もとっていないと回答した。(c)AFP/Benjamin Yeh