【3月23日 AFP】米グーグル(Google)が中国語版検索サイトの検閲を中止したものの、中国では23日も依然として、チベット問題などを掲載するサイトへのアクセスが遮断されている。

 グーグルは22日に中国向け検索サイト「Google.cn」の検索結果への検閲を中止すると発表。グーグルの中国サイトへの訪問者を、検閲の無い香港(Hong Kong)版の検索サイト「Google.com.hk」に自動的に誘導する処理を行い、中国本土のサイトを閉鎖させた。

 しかし、中国本土から、1989年の天安門(Tiananmen)事件を指す「6月4日」や、中国で非合法とされる気功組織「法輪功(Falungong)」などの単語を検索しても、「このページは表示できません」という警告が出る状況が続いている。

「チベット暴動」や「アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)」などは検索結果がリスト表示されたが、サイトへアクセスしようとすると「このページは表示できません」と表示されるサイトもあった。

 また、新聞社「大紀元(Epoch Times)」やニュースサイト「博訊(Peacehall)」、天安門民主化運動を支援するグループなど、中国共産党が国家に敵対的だとみなした団体のウェブサイトは依然として閲覧ができない。グーグルの人気動画共有サイト・ユーチューブ(YouTube)も、「Google.com.hk」を経由しても北京(Beijing)からはアクセスできない状態が続いている。

 香港からはこれらのサイトにアクセスできることから、中国が、「万里のファイアウオール(Great Firewall of China)」と呼ばれる大規模なウェブ検閲システムを使用して、自由なウェブアクセスを制限しているとみられる。(c)AFP/Robert Saiget