【3月23日 AFP】(一部更新)米インターネット検索大手グーグル(Google)は22日、中国本土でのネット検索サービスから撤退すると発表した。中国本土のユーザーは自動的に香港(Hong Kong)のサイトに転送され、検閲なしのサービスを利用できるという。グーグルの決断について、人権団体などは歓迎する姿勢を示しているが、中国当局は「間違った行為」と反発している。

 グーグルは一方で、中国国内での研究開発事業や営業拠点は存続させるとしている。同社は2か月以上前、中国国内からの組織的なサイバー攻撃を受けたと発表していた。

 グーグルは2006年1月、中国の国内法で禁止されている内容についてのウェブサイトを検閲することに同意した上で、Google.cnを立ち上げた。中国のインターネット検索市場でシェア1位は、同国の検索大手「百度(Baidu.com)」で、グーグルは第2位。

 中国政府は、「万里のファイアウオール(Great Firewall of China)」と呼ばれる大規模なシステムを導入してネット上の情報を厳しく規制し、ポルノや暴力に加え、政治的に敏感な内容など当局が問題だと見なす内容を除外している。

■中国当局は「間違った行為」と反発

 中国当局は同日、グーグルは「約定書に違反した」と述べるとともに、中国語検索サービスの検閲を止めたことやサイバー攻撃を中国政府の責任だと非難することは「完全に間違った行為」だと指摘した。

 中国国務院(State Council、内閣に相当)のインターネット担当部局幹部は、中国政府当局はグーグルの求めに応じ、1月29日と2月25日の2回にわたって協議を開いてグーグル側の意図を聞き取り、誠意を示したと語った。

 この当局者は「われわれは、グーグル側の質問に対し、慎重かつていねいに説明を行い、中国国内法に従っている限り中国で事業を行うことを歓迎すると伝えた。グーグルが検索サービスの撤退を決めたのであれば、それは同社自身の問題だ」としている。(c)AFP