【1月30日 AFP】米アップル(Apple)の新型タブレットPC「iPad(アイパッド)」の発表は、ここ数年のIT業界で最も期待された出来事だった。しかし実はiPadによく似た製品が6か月ほど前から中国のメーカーによってすでに販売されていたことが明らかになった。

 この製品の開発は中国メーカーにとって画期的な出来事だった。なぜなら、本物が発表される前に本物そっくりの製品を作ったからだ、と感心するのは、上海市民のブログ「Shanghaiist.com」と中国のコピー製品を扱うテクノロジー関連のブログ「Shanzhai.com」だ。

 しかし、製造元の「Shenzhen Great Loong Brother Industrial」は、アップルの方が製品を真似たのではないかと主張する。

 同社のHuang Xiaofang氏は「なぜわたしたちと同じ物を作ったんだろう?理解できない。われわれが先に発売したのに」と語る。

 アップルの多機能携帯「iPhone(アイフォーン)」を大きくしたような同社の「P88」が発売されたのは前年8月。同年ドイツ・ベルリン(Berlin)で開催された家電見本市「Internationale Funkausstellung」にも出品したという。

 iPadに比べれば厚みがあって重いものの、P88の画面はiPadより大きく、プロセッサの処理速度も速いうえにメモリー容量も大きく、USBポートもついている。一方、バッテリーの持続時間はiPadの10時間に比べて1.5時間と短い。

 iPadのエントリーモデルは2か月以内に世界各国で発売される予定だが、待ちきれないガジェット好きの人は今すぐGreat Loong BrotherのサイトでP88を購入できると、Huang氏は話している。(c)AFP