【1月14日 AFP】「中国からグーグルが撤退するのではなく、中国が世界から撤退すればいい」--14日、中国からの撤退が取りざたされている米インターネット検索大手グーグル(Google)に運営継続を求める中国人ユーザーの声がインターネット上にあふれた。

 グーグルは前日、中国政府による検閲に対抗姿勢を示し、また同政府がサイバー攻撃を行っていると非難、中国からの撤退も検討すると発表した。

 これが報じられると現在、中国政府の妨害を受けているにもかかわらずマイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」には、グーグルを支持するユーザーが多数現れた。このこと自体、中国政府のネット規制であるいわゆる「万里のファイアウオール(Great Firewall of China)」を、ウェブ利用経験が豊富なユーザーたちは、いとも簡単にくぐり抜けられることを示している。

 ツイッターのほかに、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)「フェースブック(Facebook)」やグーグル傘下の動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」らも現在、中国政府の妨害を受けている。

 グーグルと競合する中国の人気検索サイト「百度(Baidu.com)」でも「グーグルに、中国にとどまってくれるよう強く願う。(中国)政府は高圧的すぎる」、「わたしは外国のものをあがめてはいないし、自分の国を深く愛している。しかし政府のやり過ぎは良くない」といったコメントが大量に行き交った。

 しかし、なかには人気ポータルサイト「新浪網(Sina.com)」に寄せられた「(グーグルは)はったりをかけているだけ。かれらの中国での状況は厳しい。資本主義の企業が共産主義国家に適応するのは難しい」というコメントのように、グーグルの中国での事業に懐疑的な見方を示すユーザーもいた。

 中国国内のグーグル本部である北京(Beijing)のグーグル・チャイナ(Google China)前では、数十人が集まりグーグルを支持する言葉を述べたり、メッセージを書き残すほか、花や果物まで置いていく姿がみられた。

 あるグーグル支持者は、「グーグルよ、さようなら。政府よ、壁を築くことはできても、人びとの心を分かつことはできない。わたしたちは壁の向こう側を見たいのだ」と語った。

 英語と中国語で「自由?」と書き残した人もいた。(c)AFP/Marianne Barriaux