【12月9日 AFP】米国の雑誌・新聞出版大手のコンデナスト(Conde Nast)、ハースト(Hearst)、メレディス(Meredith)、ニューズ・コーポレーション(News Corp)、タイム(Time)の5社は8日、記事などをオンライン配信する「デジタルニューススタンド」を共同で立ち上げると発表した。

 この事業は、スマートフォンや電子書籍リーダー、ノートパソコンなどの携帯端末で新聞や雑誌を閲覧するための共通のフォーマット開発を目指すもので、「雑誌版iTunes」と呼ばれている。

 共同声明によると、デジタルニューススタンドには広告出稿が可能で、5社以外のコンテンツ掲載を希望する出版社にも開放するという。

 米インターネット小売り大手アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の人気機種「キンドル(Kindle)」など、現在市場に出ている電子書籍リーダーは広告を表示できないほか、基本的に電子書籍を念頭に作られている。

 このためキンドルなどの白黒表示の電子書籍リーダーで表示される新聞や雑誌に関しては、広告主や利用者の評判が芳しくない。今回、コンデナストをはじめとする企業連合は将来に向け、より高性能な電子書籍リーダーの登場を見据えている。

■あの雑誌もデジタルに?

 タイムは、看板のタイム(Time)誌やスポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)に加え、フォーチュン(Fortune)やピープル(People)などを出版している。

 コンデナストはニューヨーカー(The New Yorker)やヴァニティ・フェア(Vanity Fair)、ヴォーグ(Vogu)を、ハーストはサンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)、ヒューストン・クロニクル(Houston Chronicle)などの新聞やエスクワイヤー(Esquire)、コスモポリタン(Cosmopolitan)、グッドハウスキーピング(Good Housekeeping)などの雑誌を出版・発行している。

 メレディスは、ベターホームズ(Better Homes)、ファミリーサークル(Family Circle)、フィットネス(Fitness)、ペアレンツ(Parents)などを出版。ニューズ・コーポレーションはウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)やニューヨーク・ポスト(New York Post)、英タイムズ(Times)、豪オーストラリアン(Australian)などの新聞を発行している。(c)AFP/Chris Lefkow