【10月27日 AFP】米連邦通信委員会(Federal Communications CommissionFCC)は22日、インターネット接続業者に対しすべてのウェブトラフィックを公平に扱うことを義務付ける新規則の策定に着手することを決定した。

 この規則は、すべてのウェブユーザーに同一の接続速度、同一レベルのサービスを提供する「ネットワークの中立性」を確保するためのもの。インターネット接続業者に対し、自社ネットワークに負荷をかける動画のストリーミングなどを妨害または接続速度を遅くすること、使用量に応じた料金体系(従量制課金)を導入することなどを規制するものとなる見込み。

 ネットの中立性を確立するための規則作りについては、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が大統領選挙キャンペーン時から強く主張してきた。米インターネット検索大手グーグル(Google)、同ヤフー(Yahoo)、米インターネット小売大手アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、米インターネット競売大手イーベイ(eBay)、そして複数の消費者擁護団体は支持する意向を表明しているが、電気通信・無線・ケーブル業者はこれに真っ向から反対している。

 FCCのジュリアス・ゲナコウスキー(Julius Genachowski)委員長は、「(ネットの中立性に向けた)理性的で法的強制力のある規則は、自由かつ開かれたインターネットを引き続き維持するために必要なものだ」としている。

 同日公表された規制案は、インターネット接続業者に対し、「理性的なネットワーク管理」を要請している。具体的には、児童ポルノや著作権を侵害したファイルなどの違法なコンテンツおよびスパムを阻止するよう求めると同時に、合法的なコンテンツを不当に扱ってはならないといった内容になっている。(c)AFP