【8月21日 AFP】匿名ブロガーにより中傷的な写真やコメントを掲載されたカナダ人モデルが、米グーグル(Google)に、ブロガーの個人情報を明かすように求めていた裁判で、ニューヨーク州最高裁は17日、グーグルに対し、身元を特定する情報をモデル側に提供するよう命じた。

 米「ヴォーグ(VOGUE)」誌の表紙を飾るなどしてモデルとして活躍してきたリスクラ・コーエン(Liskula Cohen)さん(36)は、ブログでコーエンさんを「売春婦」や「精神障害がありうそつきでふしだらな女」などとコメントし、暗示的な写真を掲載した匿名ブロガーの個人情報開示を求める訴訟を起こしていた。

 問題のブログは3月に削除されている。

 コーエンさんの弁護士スティーブン・ワグナー(Steven Wagner)氏がAFPに語ったところによると、判決を受け、グーグルはブロガーがブログにログインした際のメールアドレスとIPアドレスを提供、メールアドレスによりブロガーが特定できたという。

 コーエンさんは米テレビABCに対し、ブロガーの女性が自分の親しい人物ではないことが分かり安心したと語った。また、ブロガーの女性と電話で話し、許したことも明らかにした。

 しかしワグナー弁護士によると、コーエンさんはブロガーの女性を名誉棄損で訴える方針だという。

 ワグナー弁護士はABCに対し、今回の判決は、インターネットがもはや中傷手段の避難港ではないとのメッセージを発しているとし、「これがインターネットを変えるかは分からないが、インターネットの使い方を変えるユーザーもいるだろう」と述べた。

 グーグルは、「サイバーいじめ」は許し難いとする一方、プライバシーの保護も重要だとの見解を示した。(c)AFP/Chris Lefkow