【7月23日 AFP】中国で米アップル(Apple)関連工場の従業員が、携帯電話端末iPhone(アイフォーン)の次世代モデルの試作機を盗んだ疑いをかけられたことを苦に自殺した問題で、アップル本社は関連会社などに従業員の「尊厳を尊重」するよう呼び掛けた。

 自殺したのは、iPhoneを委託製造している台湾系大手OEMメーカー、富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)が中国南部・深セン(Shenzhen)市にもつ工場に勤めていた孫丹勇(Sun Danyong)さん(25)。国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、会社から試作機を盗んだと疑われ、自宅アパートの12階から飛び降り自殺した。

 孫さんは中国でも最高レベルの工業大学を前年卒業したばかり。工場では出荷時の最終梱包を任されていた。

 紛失した試作機は同社が製作した試作機16台のうちの1台だった。この1台がなくなった後、会社側は調査を行っていたが、その結果、孫さんが盗んだと会社側が結論づけたかどうかは報じられていない。

  アップルの香港(Hong Kong)の広報担当者ジル・タン(Jill Tan)氏は「若い従業員の突然の死に悲しみをおぼえる。彼の死に関する調査の結果を待っている」とAFPに答えた。ただし、関連会社に関する情報は漏らさないとして孫さんが自殺した詳しい経緯については伏せた。(c)AFP