【7月17日 AFP】英国の15歳の少年が米金融大手モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のために作成した10代の若者のメディア習慣に関する報告書が、金融業界で反響を呼んでいる。報告書には、人気マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」は「クールじゃない」といった記載も見られる。

 この報告書は、ロンドン(London)南東部グリニッジ(Greenwich)に住むマシュー・ロブソン(Matthew Robson)君がモルガン・スタンレーのロンドン支社で勤労体験学習をしたときにまとめたもの。何人かの友人にテキストメッセージを送ってアイデアを募り、わずか1日で書き上げたとされる。銀行がこのような方法で報告書を作成するのはきわめて珍しいが、上司いわく「われわれがこれまで目にした中でも最も明快で示唆に富んだ洞察の1つ」だという。

■お金は払いたくない、バナー広告は見ない

 報告書によると、10代の若者たちは、テレビからコンピューターゲーム、インターネット、音楽まで、メディアを幅広く利用している一方で、お金は払いたくないと思っている。

 また、米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェースブック(Facebook)は頻繁に利用するが、ハリウッド女優デミ・ムーア(Demi Moore)などのセレブが愛用している「ツイッター」はほとんど関心を持っていない。「ツイッター」に登録している10代は多いが、携帯電話で文字を送るのにお金がかかるうえ、プロフィールを閲覧する人はいないので投稿しても「無意味」だという。

 10代はラジオを聴いたりCDを買うことはまれで、音楽をストリーミングするウェブサイトを利用したり、そこから違法にダウンロードすることの方を好む。また、大半が、iTunesの1曲あたりのダウンロード料金79ペンス(約120円)を「高すぎる」と思っている。

 10代はテレビは見るが、あとでインターネットでも見ることができる番組は、あえてテレビの放映時間に見るようなことはしない。 

 ロブソン君は、新聞や電話帳といった昔からある印刷媒体には否定的で、彼の仲間は屋外広告やウェブサイトのバナー広告を見る時間などなく、バイラルマーケティング(viral marketing)の方を好むとも書いている。

 報告書の最後には、ロブソン君が考える「ホット」なものとそうでないものの一覧表が掲載されている。これによると「タッチスクリーンのある機器」「音楽機能が充実した携帯電話」「超大型テレビ」などはホットだが、「ワイヤレスでない物」はすべてホットではないそうだ。

■顧客からは絶賛の声

 同社は報告書の統計的な正確さについては触れていないが、序文には、10代は「デジタル革命の先端におり」、そのため「メディアがどのように進化していくかを(10代の視線を通して)評価することは非常に意義があると思われる」とある。
  
 報告書は同社顧客やメディア部門の専門投資家らに配布されているが、ロンドン支社の関係者が14日AFPに語ったところによると、「内容がすばらしい」といった反応が続々寄せられているという。(c)AFP/Alice Ritchie