【7月15日 AFP】長編小説を出版してくれる出版社を見つけられなかった米国の作家が、人気マイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」に140文字ずつ、小説の発表を始めた。

 米サンフランシスコ(San Francisco)在住のマット・スチュワート(Matt Stewart)氏はツイッターに処女作『The French Revolution(フランス革命)』の投稿を、7月14日のフランス革命記念日(Bastille Day)から開始した。

 スチュワート氏によると、ツイッターで発表された史上初の長編小説。「あるサンフランシスコの一家が歴史に名を刻むまでの物語」で、48万文字の長さを、ツイッターに3700回に分けて投稿する。

 この小説を多くの出版社に持ち込んだところ、「みんな気に入ってくれた」という。「しかし、生々しい言葉遣い、ファンタジー要素、笑い、ひわいな冗談などが含まれているため、『リスクのある』小説とみられ、出版したいと申し出る出版社はなかった」

 ツイッターで小説を発表することについて、スチュワート氏は「長編小説を細切れに発表することへの社会の反応をみるための社会的な実験」と語った。

 しかし、ツイッターの投稿を全部読む読者がいるとは考えにくいとスチュワート氏も認める。古風な読者向けに、ネット出版サービスScribd.comで無料公開するほか、米インターネット小売り大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の電子書籍用端末「キンドル(Kindle)」でも1ドル99セントで提供する。

 スチュワート氏は次作の執筆にすでにとりかかっており、「想像上の息子を追い求める路上生活者」を描く内容で、題名は『Duct Tape(ダクトテープ)』となるという。(c)AFP