【6月20日 AFP】アルジュン・バス(Arjun Basu)さん(42)は、ショートストーリーの書き手である。それも、非常に短いショートストーリーの書き手だ。

 バスさんは、「わたしは140文字のストーリーをツイッター(Twitter)で書いている」と述べる。人気マイクロブログサービス、ツイッターの文字制限内に自分の作品を収めようとする作家や詩人は非常に多く、バスさんもその1人だ。

 ニューヨークでは今週、2日間の日程で、ツイッター全般にわたる会合「140文字会議(140 Characters Conference)」が開催されている。同会議に出席したバスさんは、AFPに対し、「わたしは、これら(のストーリー)をツイスターズ(Twisters)と呼んでいる。ツイッター上のものには馬鹿げた名前が多いので」と語った。

■ツイッターを発表の場に

 カナダ人のバスさんは、「どのストーリーにも始まりと中盤、そして終わりがある」と述べる。

 モントリオール(Montreal)を拠点に活動するバスさんは、ごく一般的な形態で出版した過去作品よりも、ツイッターのフォロー数の方が多いことについて、ためらうことなく認める。「現在はフォロワー(読者)が6000人を超えている。前年、ショートストーリーの書籍を出版したが、小規模出版社で出版したものだったので購入者はおそらく2000人程度。つまり現在は、以前よりも読者が増えているんだ」

 バスさんの「ツイスター」には以下のようなものがある。

「彼らは狩りに出かけた。大型のほ乳類を数頭殺した。そして食肉処理されるのを眺めた。その晩は、全員がそれぞれサラダを注文していた」

「結婚はハネムーンまでしか続かなかった。彼らはあやまちを認めた。けれども、一緒にいつづけた。贈り物のために」

 ツイッターでは、俳句も流行しており、検索語の「#haiku」は、ツイッターの人気トップ10のリストにたびたび登場している。

■発信したとたんに反応が届く

 バスさんは、「すばらしい連結ツール」であることが、ツイッターで最も満足しているところだと語る。

「作品への反応が即座に得られるが、これは作家にとってキャットニップ(西洋のマタタビ)のようなものだ。発信したとたんに反応が返ってくる」

「ある意味、創作活動を大幅に孤独でないものにしてくれる」と、バスさんは語った。(c)AFP/Chris Lefkow