【4月21日 AFP】インターネットの初期の成長を支えたのは主に若年層だったが、最近先進国では70歳以上の高齢者による利用が急増している。スペインの首都マドリード(Madrid)で開催中の第18回ワールド・ワイド・ウェブ国際会議(World Wide Web Conference)で20日、専門家らが報告した。

 スコットランド・ダンディー大学(University of Dundee)コンピューター学科のビッキー・ハンソン(Vicki Hanson)教授は、インターネット利用者の年齢層で最も勢いよく増えているのが高齢者層だと発表した。

 同教授が示した米生活調査報告「ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクト(Pew Internet and American Life Project)」のデータによると、米国では70~75歳の人のうち、2005年の時点でインターネットを利用していたのは26%(約4人に1人)だったが、08年には45%にまで増えた。また、76歳以上の人の割合は、同調査期間に17%から27%へと増えた。

 Web関連技術の標準化を進める団体W3CWorld Wide Web Consortium)で、高齢者や障害を持つ人たちのためにインターネットの利便性向上に取り組むアンドリュー・アーチ(Andrew Arch)氏は、英国でも同様に高齢インターネットユーザーの増加がみられていると報告した。「基本的に高齢ユーザーの利用方法もほかの年齢層と一緒。最初はコミュニケーションに使うところから入り、すぐに情報検索やオンライン・バンキング、ショッピングといったほかの利用方法に移っていく」

 先のピューの調査によると、64歳以上のインターネット・ユーザーが最もよく使う利用方法はEメールの送受信。一方、若年層に比べ高齢者ユーザーのほうが、オンライン・バンキングとショッピングを利用する人は少なく、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用はさらにかなり少なかった。(c)AFP/Daniel Silva