【2月3日 AFP】米非営利調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が1月28日に発表した調査結果によると、米国のインターネット利用者の半数以上は18歳から44歳の年齢層だが、70歳以上の高齢者ユーザーが徐々に増えていることが明らかになった。

■高齢者ユーザー、3年間で約2倍に

同機関が運営する調査事業「ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクト(Pew Internet & American Life Project)」によると、2005年以降、インターネットの新たな利用者が最も増えた年齢層は70歳から75歳だった。2005年の同調査時には、この年齢層でインターネットを利用している人はわずか26%だったが、現在は45%が利用している。

 しかし、インターネット・ユーザーは年齢層が若くなるほど増え、60~64歳では62%だが、40~44歳では83%、18歳から24歳では89%、12~17歳では実に93%が利用している。

■エンターテインメントでの利用は圧倒的に若者

 ネットを利用する目的で最も多いのはEメールで、特に高齢者ほどその傾向がみられるが、インスタント・メッセージや、フェースブック(Facebook)やマイスペース(MySpace)といったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、ブログの利用なども増えている。これについてピュー・リサーチ・センターでは、Eメール利用では高齢者も若者に匹敵するほどになっているが、それがゆえに10代の若者たちの間で「Eメールは年寄りが使うもの」との意識が高まる可能性もあると指摘する。

 実際、10代のEメールの利用は2004年の89%から、08年には73%まで減っている。

 逆に若者が独占するオンライン利用といえば、エンターテインメントだ。12~17歳の年齢層の約78%(成人全体の2倍の割合)がオンライン・ビデオゲームを、68%がインスタント・メッセージを、59%が音楽のダウンロードを、49%がブログを読むためにインターネットを使っていた。

 これに対し、米国版「団塊の世代」であるベビーブーマーのうち初期に生まれたグループに当たる55~66歳の年齢層では、音楽のダウンロードに使う人はわずか21%、ブログを読んでいる人は25%に過ぎなかった。

 またバーチャル・ワールド(仮想世界)に参加しているユーザーは、12~17歳では10%だったのに対し、成人ではたった2%だった。

■多彩にネットを活用している「ジェネレーションX」

 もうひとつ目立つ傾向のあったのは「ジェネレーションX(エックス、Generation X)」と呼ばれる現在33~44歳のグループで、82%が健康情報を探すのにオンラインを利用しており、73歳以上のグループと同じ割合を示した。

 またオンライン・ショッピングの利用が最も多いのもこの層で、その下の18歳~32歳の年齢層「ジェネレーションY(Generation Y)」では71%なのに対し、Xでは80%だった、さらに、ジェネレーションXの65%がオンライン・バンキングを利用し、76%がネット上でニュースを読んでいる。(c)AFP