【1月24日 AFP】米アップル(Apple)のパーソナルコンピューターMacintoshは24日、発売から25周年を迎える。米カリフォルニア(California)州のシリコンバレー(Silicon Valley)中心部サンノゼ(San Jose)にあるテック・ミュージアム(The Tech Museum of Innovation)のピーター・フライス(Peter Friess)館長(49)は、ドイツの美術館で働いていた20代のころ、アップルの共同創業者で現在も最高経営責任者(CEO)を務めるスティーブ・ジョブス(Steve Jobs)氏から初期のMacを手渡されたときからずっとMacintoshを支持してきたと語る。

 当時フライス氏はドイツ博物館(Deutches Museum)で古時計の分類を担当していた。そこでアップルがコンピューターを作ったことを知ったという。「ドイツ博物館は科学博物館として世界最大でしたが、当時は事務所で1台のコンピューターも使っていませんでした。そこで、わたしはミュンヘン(Munich)のアップルに電話をかけ、コンピューターが非常に必要だと訴えたんです」

 ちょうどそのときジョブス氏がミュンヘンに滞在しており、フライス氏と、ドイツ博物館の館長のためにコンピューターを持ってきてくれたのだという。「私たちは握手しました。彼が覚えているかは分かりませんが、私ははっきりと覚えています。そのときのコンピューターは今でも持っていますよ」

■「時代がMacに追いついた」

 1984年1月24日のMacintosh発売当時、アップルは、ジョブス氏とスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)氏がカリフォルニア州北部のガレージで起業して間もないころだった。

 アップルのコンピューターは、コンピューターマニアでなくても簡単に理解できる直感的に操作できる、しっかりと製造・設計された素晴らしいマシンだとの高い評価を獲得した。

「初めてウィンドウズ(Windows)マシンに触れる人は、使い方が分かるようになるまで時間がかかります。しかしアップルならばそんなことはない。つらく大変な時期というのがない。わたしはこの製品にほれ込みました」と話すフライス氏は 登場から25周年を迎えた今、ようやく時代がMacに追いついたことに何も不思議はないと語る。

 アップルは自社技術を公開せず、Macintosh は高い価格に見合った高品質のコンピューターという評価を確立していった。Macintoshは、最高の機種のためには高額の支払いもいとわないアーティストやデザイナーといったクリエイティブな業種の人びとの間でカルト的な人気を博した。

■10-12月期は最高益を記録

 アップルが21日に発表した10-12月期(2009年9月期の第1四半期にあたる)決算は、iPodの販売台数が過去最高を更新するなど好調で、売上高が101億7000万ドル(約9026億円)となり、純利益が過去最高の16億1000万ドル(約1429億円)となった。Macintoshコンピューターの販売台数は、前年同期比9%増の252万台となった。

 ジョブスCEOは、世界のコンピューターのシェアの約90%を獲得した米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)が「コンピューター戦争」の勝者であることを認めた一方で、Macが市場シェアを徐々に拡大させていると述べた。(c)AFP/Glenn Chapman