【11月15日 AFP】インターネット上のチャットやブログで大きな注目を浴びている、夢の新型携帯電話「ポメグラナット(Pomegranate)」。なんとこのデバイスは、音楽再生、写真撮影、インターネットの閲覧などのほか、コーヒーも入れられて、シェーバーやハーモニカとしても使える「究極の一体型デバイス」なのだ。

 ……こんな出来すぎた話はありえない?そう、その通り。

 実はこの想像上のデバイスを宣伝するサイトは、カナダ東海岸、ノバスコシア(Nova Scotia)州が仕掛けた企業誘致のPR作戦の一つ。

 ノバスコシア州は30万ドル(約2900万円)規模のマーケティング・キャンペーンを9月に立ち上げ、住民の増加と企業誘致を目指している。

 ポメグラナットの公式サイト上の「だましリンク」は、州のプロモーションサイトへと飛び、狙い通りに数万人の訪問者をちゃっかりと州の宣伝サイトへと導いてきた。

 また、当初思いもよらなかったことに、インターネット上ではこの万能携帯電話の実現を望む人たちによる活発な討論が盛り上がりを見せている。

 キャンペーン広報担当のFiona Gibb氏は、「情報があふれかえる中で、実業家や政府関係者に注目されるためには、まず目立たなくては。彼らに共通するのは、iPhoneやブラックベリー(Blackberry)など、最先端のテクノロジーに興味があるということです」と説明した。

 Gibbs氏によると、これまでのポメグラナットのサイトへのヒットは21万件にのぼり、訪問者の多くがノバスコシア州について知る機会を得たという。

 もっとも、口コミを中心とする「感染マーケティング」と呼ばれる奇抜な手法にみごとに「感染」し、ノバスコシア州への移転を決定した個人や企業が存在するかは明らかになっておらず、効果が上がったかを知るには時期尚早のようではある。(c)AFP


【関連情報】「Pomegranate」のサイトはこちら(英語)